パラシュートニンフを巻く

ドライフライ-dry flies-
パラシュートニンフのタイイング動画

パラシュート型である理由

フローティングニンフは、CDCを使ったパターンが多いように思います。僕のフライボックスにもいくつも入っていますし、ライズ狙いの釣りとなるとそういったパターンが活躍してくれます。
しかし、ライズを狙うというシーンは、1日の釣りのうち、何割を占めるでしょうか。
テンポ良く釣り上がり、釣果を”足で稼ぐ”事を基本とする場合、求められるものは使い勝手の良さ、手返しの良さではないでしょうか。
CDCを使ったパターンは決して手返しが良いとは言えません。一度魚を掛けて、魚のヌメリや水で侵されたCDCの浮力は、すぐには戻らないので。
ということで、自然とこのパラシュートニンフを使う頻度が多くなっていきました。
今では、なくてはならないパターンとなりました。とても信頼しています。
水生昆虫のハッチや目立った流下が目視できない場合などは真っ先に結びます。
もちろん、CDCにはCDCなりの良い点があるので、CDCを使用したパターンも色々常備しています。そこらへんのお話はまたいつか…。

ちなみに、動画ではスレッドボディのパターンですが、クイルボディにしたり、ダビング材を使用したり…バリエーションは様々。ダビング材を使用する場合は、濃いめの色のスレッドに淡い色のダビング材を使用することで透け感を楽しんだりもできちゃいます。下地にパールティンセルのようなヒカリモノをこっそり忍ばせてみるのもまた良き…。

ちょっと昔ばなし…


学生の頃、幼馴染み4人で行った2泊3日の釣り旅行。4人揃っての釣りなんて何年振りの事だったでしょう。とにかく楽しかった思い出です。
高校卒業後はそれぞれ別の進路で、年に一度会うか会わないかといった状態でしたが、釣り好きという事に関してだけは子供の頃から全く変わっておらず、なんだか安心したのを覚えています。
旅の初日、待ち合わせは深夜、いつものコンビニで。
普段はだらしないクセに、釣りとなるとしっかりと集合時間を守る4人。
4時間程車を走らせ、何の情報も無しに訪れた渓。
フライ、ルアー、エサと、それぞれのスタイルで釣り上がり、適当に入渓したわりにはそこそこの釣果でした。

適当に入ったポイントでしたが、良い川でした。

そんな川の小さな堰堤のポイント。誰の竿も曲がらず…。
その堰堤にたどり着くまでのポイントでは確実に魚からの反応があったのに、こんな絶好ポイントで反応なし。
「えー…こんなことって…ある?」首をかしげる4人。
諦めて場所移動をしようかという話になったとき、
僕が「最後に一投…」と結んだフライがこのパラシュートニンフ。
ほとんど流れのない堰堤の端っこにフライが着水して体感2〜3秒。スッと影が動き、上がる水しぶき。
珍しく、慌てずゆっくりとフッキングさせ、釣り上げたのはけっして大きいとは言えない若いレインボーでした。

小さいけれど価値ある一匹でした。

ただ、サイズは小さくても価値ある一匹となりました。
そしてこの思い出が強く心に刻まれ、パラシュートニンフを結ぶ機会は多くなりました。成功体験というと大袈裟な響きかもしれませんが、こうした体験はそのフライパターンへの信頼に繋がります。「困った時はコイツ…」とフライボックスからつまみ上げ、期待を寄せてティペットに結ぶ。それでダメならスッパリ諦めもつくものです。

そんなわけで、このパターンは今も大活躍してくれています。そしてきっとこれからも。

動画内で紹介しているバリエーションです。
動画内で紹介しているバリエーションです。
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